病害虫・雑草防除ガイド - 農作業の安全講座
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土壌環境について

プリグロックスL、効きめが速いだけじゃない。土壌への吸着だって速い。

速効性で知られるプリグロックスLですが、農家の皆さんに伝えたい特徴はまだまだいっぱいあります。 たとえば、土壌への吸着速度が極めて速いこともそのひとつです。 これが、作物や土や農作業に、とっても役に立っているのです。

プリグロックスLは、通常水で希釈して雑草全体に散布しますが、それでも散布液の30%程度しか雑草にかかりません。 残りの散布液は土壌にそのまま落下してしまいます。 雑草にかかったプリグロックスLの有効成分のパラコート、ジクワットの大部分は植物体に吸収もしくは植物体表面に付着し、枯れた植物体(吸着の弱い植物遺体)上で、太陽光(紫外線)による分解の他、微生物によっても分解されます。

(参考:名古屋大 1995年、第20回農薬学会)

一方、土壌に落下した散布液中のパラコートは、図のように散布後3分で90%以上が、 また約1時間もすれば完全に土壌に強く吸着されて、生物に利用されないような形に不活性化されます。 実はこの土壌強吸着の特性が、圃場散布した直後に作物のは種あるいは移植、定植を可能にしていることから、 作物への安全性が評価されて8月16日付けで野菜類のは種前又は植付前処理の適用が拡大されました。
>>>プリグロックスLの適用表はこちら

  • 土壌への吸着は極めて速い

    出典:「農薬概説」2005年版

パラコートの吸着は土壌団粒の中で起こっています。

雑草に散布されたプリグロックスLの有効成分の一部は、土壌表面に落ち、下の模式図のようにマイナスに荷電した土壌粘土鉱物の粒子にパラコートの陽(+)イオンが電子的に強く吸着し、パラコート吸着複合体となって不活性化されます。 この吸着力は非常に強く、肥料や雨水などでは、地下水に浸透溶出することはありません。

  • パラコートの吸着は土壌団粒の中で起こっています。

    パラコートの吸着は土壌団粒の中で起こっています。

結晶構造を持つモンモリロナイト、バーミキュライトは、負の荷電が大きく陽イオンを強く吸着する。

土壌の生成は、土壌粒子の集合から始まり、土壌団粒内部の小さい隙間は水をよく保持し、団粒と団粒の間の大きい隙間は水や空気をよく通すといわれています。 ですから、団粒がよく発達した土壌では水を適度に保持し、通気もよく、土壌微生物やミミズ、植物の生育にまことに都合よく、団粒構造は土壌の命といわれるゆえんです。プリグロックスLは土壌の粘土鉱物粒子に吸着されますが、団粒構造を破壊する事はありませんので、プリグロックスLの散布で土をかたくすることはありません。
土壌に吸着されたパラコート、ジクワットは、徐々に細菌類(Corinebacterium t.Clostridium p.など)や土壌酵母(Lipomyces starkeyi)などによってアンモニアと水と炭酸ガスに分解されていきます。

《参考資料:「土と農薬」日本植物防疫協会 発行》

プリグロックスLは連用しても土壌微生物には悪影響はありません。

除草剤を果樹園地に長年連用すると土がかたくなったり、土壌生物の活性を低下させるのではないかとの懸念を持たれる方がいます。 パラコート剤を畑地に連年施用した場合の土壌微生物活性に及ぼす影響をみた研究成果が報告されていますので1、2紹介しましょう。

1.愛知県農総試場内畑ほ場でパラコート剤を土壌に1981年〜1989年(9年間)連年施用し、土壌微生物相(細菌、CV細菌、放線菌、糸状菌)及び土壌微生物活性に与える影響、土壌への蓄積などを調査しています。

愛知県農総試研報22:309〜315(1990)

  • 愛知県農総試場内畑ほ場でパラコート剤を土壌に1981年〜1989年(9年間)連年施用し、土壌微生物相(細菌、CV細菌、放線菌、糸状菌)及び土壌微生物活性に与える影響、土壌への蓄積などを調査しています。
  • 土壌酵素活性:パラコート剤連用による影響は認められませんでした。
  • 結果:試験結果からも、パラコート散布区での微生物数は無処理区と比べて減少が認められません。よってパラコート剤は連用されても土壌微生物にに強く及ぼす影響は少ないといえます。
  • まとめ:パラコート剤は連用されても、土壌に強く吸着されて安定化するため、土壌微生物相、生物活性に及ぼす影響は少ないといえます。

2.除草剤の連用による農耕地土壌生態系への影響(抜粋)

(出典:シンポジウム 『農産物の安全と環境負荷を考える』 
-(財)日本植物調節剤研究協会 )

除草剤が連用されている圃場を用いて、畑地条件で土壌の硝酸化成活性を調べて除草剤の土壌生態系への影響を調査し、その結果、パラコート単製剤(グラモキソン)、ジクワット(DQ)/パラコート(PQ)混合製剤(プリグロックスL)連用による影響のない事が報告されています。

  • 処理期間と処理量:1988年〜1991年(4年間)
    標準量処理区:DQ(7%))+PQ(5%)液剤 1,000ml/10a  散布水量 100L/10a
    過剰量処理区:PQ剤(24%)         3,000ml/10a  散布水量 100L/10a
  • 硝酸化成調査:1991年6月3日に試験を開始し、除草剤処理前、処理2日後、8日後、15日後、30日後及び79日後に土壌を採取し、硝酸態窒素量、アンモニア態窒素量、亜硝酸態窒素量を測定しました。プリグロックスL標準処理区の測定値を以下に図示します。
  • 除草剤の連用による農耕地土壌生態系への影響

結果:硝酸態窒素、アンモニア態窒素、亜硝酸態窒素の測定量には無処理区とパラコート 剤処理区の間に標準量処理区と過剰量処理区とも明らかな差は認められません。 よって、パラコート剤は連用されても土壌環境に及ぼす影響は少ないといえます。

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