カメムシの豆知識 斑点米ってどんな米?
米の落等の主要因としてカメムシによる斑点米があります。斑点米の原因と傾向を詳しく解説しますので、営農にお役立てください。
米の落等の主要因は「着色粒」や「充実度の不足」
米の落等の主要因は、斑点米カメムシにより、吸汁加害されて変色した着色粒の混入。混入率が0.1%超で二等米、0.3%超で三等米、0.7%超で等外米に格付けされてしまいます。また、乳熟期前に斑点米カメムシによって吸汁加害されると、未熟米となって、米粒の充実度を損なってしまい、これも落等の大きな要因となってしまいます。
【2等以下に格付けされた東北地方産コメの原因(平成17年度)】
着色粒のひとつ「斑点米」
落等の主要因となる「着色粒」には、害虫や病原菌、稲の生理障害など、いろいろな原因があります。害虫の被害では、カメムシによる『斑点米』、イネシンガレセンチュウやアザミウマ類などによる『黒点米』、病原菌の被害では、糸状菌による『褐色米』や『腹黒米』などが代表的です。着色粒のひとつである「斑点米」は、カメムシの吸汁加害によって、玄米が部分的に黒く変色したもの。斑点米も黒点米も害虫の加害によるものですが、どちらも外見の症状だけでは、ほとんど見分けがつきません。
【斑点米、重点米、褐色米、腹黒米】
ご存知でしたか?「斑点米」は増加傾向
ここ10年で、カメムシの加害による斑点米は増加傾向にあり、各地で大きな問題となっています。例えば、東北地方では、1999年以降、斑点米カメムシによる落等率が10%を超える地域が頻発するようになりました。全国での発生面積は100万haともいわれています。
【カメムシによる斑点米】
【斑点米カメムシによる落等等の年次推移】