稲の大敵「ウンカ」ってどんな害虫?
ウンカは稲の大敵として昔からアジア各国で大きな被害を与えてきました。日本においては江戸時代から大発生を繰り返してきましたが、効果の高い苗箱施用薬剤の普及によって以前のような激しい被害は出なくなりました。ところがこれらの苗箱施用薬剤に対して抵抗性がついたウンカが出現し、2005年以降はウンカ類の多発生が続いています。
主なウンカの種類は3種類
稲の害虫であるウンカは、成虫も幼虫も稲の茎や葉にストロー状の口針を刺して吸汁します。主な種類は、セジロウンカ、トビイロウンカ、ヒメトビウンカの3種。大きさや形はよく似ていますが、種によって生息している地域や増え方などの生態が異なります。稲に与える被害も、稲を枯らしたり稲にウイルス病をうつすなど、種によって異なります。
【トビイロウンカ、セジロウンカ、ヒメトビウンカ】
ベトナム、中国で大発生傾向に
2005年頃から、ベトナムや中国でウンカが大発生しています。これらの国で発生したウンカが日本にも飛来するため、海外でのウンカの多発生も他人ごとではありません。大発生の主な原因は、これらの国で栽培される稲が、多収で美味しい反面ウンカが増殖しやすいハイブリッド米※などの品種に変わったことです。
※異種交配により品種改良された、多収かつ食味に優れた品種
【ベトナム北部のハイブリッド米の作付面積の推移】
【大発生した灯火に群がるトビイロウンカ(中国)】
日本への抵抗性ウンカ到来が増加
江戸時代から時折大発生を繰り返してきましたが、平成に入ってからは効果の高い苗箱施用薬剤が開発されて広く使われるようになり、以前のような激しい被害は出なくなりました。しかし、平成17年頃から、これらの苗箱施用薬剤に対して抵抗性がついたウンカが出現して、日本ではウンカ類の多発生が続いています。
【ウンカの大発生年表】
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