ほうれんそうを加害するコナダニは最初に密度を抑えることが重要。播種前に使える粒剤を待ち望んでいました。|フォース粒剤
発生すると一気に密度が高くなるコナダニはほうれんそう栽培にとっていちばんの脅威です。生育期防除のみならず、フォース粒剤による播種前の土壌処理を加えることで、より効果的な体系防除を実現することができました。
コナダニによって区画単位で全滅することも
飛騨地域でのほうれんそう栽培は、昭和40年代から本格的な生産がスタート。その後、鮮度保持フィルムや真空予冷施設の導入などにより、高品質な夏ほうれんそう産地として高い評価を得るようになりました。
現在、JAひだ管内では、365名の農家が延べ約820haのほうれんそうを栽培しています。そのリーダーである丹生川蔬菜出荷組合の瀬上幸喜組合長は、品質を落とす原因になる病害虫防除には、一切の妥協を許しません。とくに脅威となるのが、ホウレンソウケナガコナダニです。
「この地域では『ほうれんそうが全滅するとすれば、ダニか人手不足』と言われています。どの生育ステージでも加害され、被害にあうと芯葉がなくなったり葉に穴が空いたりして破棄せざるを得ない。ひどい時は1棟どころか1区画が丸ごと全滅することもあります」。
ほうれんそうのコナダニは初期防除で密度を抑える
発生すると一気に密度が高くなるダニ。フォース粒剤は、瀬上組合長にとって待望の剤だったとのこと。
「最初に密度を抑えることが重要とはわかっていても、これまでは有効な粒剤がありませんでしたが、フォース粒剤を今年の春作に使ったところ、確かにダニが減りました。最もダニが多発生する秋作に向けて早速箱買いしましたよ(笑)」。
管内のほうれんそう栽培を指導するJAひだの下垣内係長は、フォース粒剤によって体系防除に厚みが出たと言います。
「これまでダニの防除は、アファーム乳剤などによる生育期防除のみでしたが、フォース粒剤による播種前の土壌処理を加えることで、より効果的な体系防除になりました。また、べと病対策に有効なレーバスフロアブルもローテーションに加え、問題病害虫に対する新しい体系防除が完成しました」。
これからも防除を徹底し、高品質なほうれんそうを消費者に届けていきたい。立場は違ってもお二人の想いは一つです。
丹生川蔬菜出荷組合の瀬上幸喜組合長(左)と、JAひだ高山営農センター営農課の下垣内崇係長(右)
JAひだ管内の東側に位置する高山市丹生川町の丹生川蔬菜出荷組合において組合長を務め、約1.5haのハウスを経営。
ほうれんそう栽培歴は20年。
※掲載内容は取材当日のものです