6次産業サクセスへの道 第3話
豪雪地帯という逆境を活かし、にんじんジュースで販売チャネルを拡大。

2012/10/31(水)


農産物づくりの基本方針は「本物」の追求だそうですね。

飯塚農場が志向する"本物"とは、安全・安心はもちろん、年次変動のない 安定した美味しさと品質を備えた農産物であること、です。 若いころは、そのことに気付かず、大きな失敗をして、大変苦い経験をしたことが あります。
それ以来、誰にも負けない"本物"の農産物をつくろうと心に決め、日々試行錯誤を 続けています。


どのような失敗をされたのですか?

すいかを手がけて間もないころ、きちんと選別していないすいかを出荷して しまったんですね。 県外の市場だったのですが、仲買人さんは目利きのプロなので、 外見を見ただけで、中身に問題があるのが分かる。 60人ぐらい集まった競りの会場で、こうした問題のあるスイカだけが並べられ、 皆の前で包丁で割られました。
中身に亀裂や空洞があるところを、仲買人さんたちにしっかり確認されて、 粗悪商品の見本となってしまったわけです(笑)。 本当に恥ずかしく申し訳なく思いました。同時に、負けてたまるかとも思い、 品質の選別を徹底することにしたんです。 3年後には、その同じ市場で、一番の品質と言われるまでになりました。


もうひとつ、忘れられないご経験がおありだとか。

はい。生協用に特別栽培のすいかを手がけた年のことです。 収穫3日前になって、疫病で、すいかがほぼ全滅してしまったんですね。 せっかくご指名で注文を頂いているのに、全く出荷できません。 それなのに、生協の組合員の方から、励ましのお手紙と3万円の御見舞金を いただいたのです。 涙が出るほどうれしかった。
それ以来、せっかくファンになって下さったお客様を裏切るようなことは、 絶対にしないと誓っています。


農家の方が後継者のために、備えておいたほうがいいことはありますか。

個人にしろ法人にしろ自分に万が一のことがあった場合のことを、今からきちんと考えておく必要があると思います。後継者はきちんと確保できているか、後継者がいても生産面だけでなく経営面でのバトンタッチができているかなど、経営の承継を計画的に行わないと、いざという時にあわてるのは後継者なのです。

例えば、経営面でのバトンタッチで言えば、売り上げや仕入れの把握、 取引先との人脈づくり、従業員との信頼関係構築といった面での承継はタイミング を見て進めておくべきです。 また、後継者が負担することになる相続税についても、相続人を受取人とした 生命保険をかけておくなどすれば、相続税納税のための資金として使うことができます。

後継者への承継について、近くの税理士や会計士に相談してみたり、後継者と 一緒にセミナーに参加するなど、今から準備しておくことをおすすめいたします。


お客様を裏切らない品質の確保のために、どのような取り組みをされているのですか?

まず、取り組んだことは、土づくりです。それまでの自己流を見直しました。
全国規模の有機農業生産者組織に加盟し、特別栽培に適した土づくりを一から学びはじめました。
菜種粕・大豆粕・醗酵コーヒー粕・米糠などが原料の「モグラ堆肥」も活用し、何年も試行錯誤を重ねているうちに、ようやく納得できる品質を確保できるようになりました。

にんじんジュースに取り組んだきっかけについてはいかがですか?

うちのにんじんは、とにかく糖度が高く、生でも食べられる品質が自慢なのですが、 形状が問題で、規格外が全体の3割以上も出てしまう。
これを何とか有効活用 できないかと思ったのがきっかけです。
めったにない高糖度の特徴を活かして、とびきり美味いにんじんジュースをつくろうと。
製造に必要な設備や加工などを学び、平成17年から『飯塚農場のうまいにんじんジュース』というネーミングで、製造・販売にこぎつけました。

高糖度をうまく生かすために、様々な工夫をされているとか?

皮をむいてからすりおろすこと、また、ジュース1本に対し約200gのL品を1.3本分使用すること、添加物や防腐剤も一切使用しないことなどです。
また、豪雪地帯であることを活かし、雪を冷却材にした"雪室"と呼んでいる貯蔵庫で、にんじんを約2か月間寝かせています。
にんじんの臭みやエグみが飛び、とてもまろやかな味になるんです。
「にんじんってこんなに美味しいの」と実感していただけると思いますよ。

売り上げなどの目標については、どうお考えですか。

ジュース部門は現在、年間3万本出荷で、売り上げは年々増加しています。
飯塚農場のにんじんの美味しさ、ひいては、農場の他の作物についても、飯塚農場といえば高品質、というイメージづくりに、にんじんジュースが貢献していると実感しています。

ジュースの販売チャネル開拓ために、広告などは全く出しておりませんが、美味しさを口コミで広げていただいたおかげで、現在は、病院・生協・直売所・市場など130社以上と、お取引しております。

今後はどのようなことにチャレンジしていきますか。

少し前の話ですが、東京・銀座のとある著名なレストランのシェフが、たまたまうちのにんじんジュースを飲まれ、大層気に入られたのです。そのことが縁となって、現在このシェフの方と共同で、にんじんドレッシングを開発中です。

うどやたらの芽については、残念ながら需要の減少が止まらないので、これらの栽培を縮小する代わりに、次の作物としては、若年層を中心にニーズが高まっている、アスパラガスを手がけようと考えています。

どんな展開をしていこうと、これからも飯塚農場の本物品質だけはしっかり守って、リピーターのお客様を増やしていきたいですね。

『飯塚農場のうまいにんじんジュース』のご購入はこちら
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