GLOBALG.A.P.ツアー2013日本大会報告
世界112カ国で実践されるGLOBALG.A.P.が目指すもの

2014/01/31(金)

2013年11月29日、30日の2日間、宮崎県でGLOBALG.A.P.ツアー2013日本大会が開催されました。 これは2年に1回開かれるGLOBALG.A.P.サミット(世界大会)を補完する為、その間の年にツアーと称して世界各地で開催される国別大会です。今年は4大陸8か国で開催され、日本は最後の開催地でした。その様子を2回に渡って報告します。
GAPとは、Good Agricultural Practicesの略で、適正農業規範と訳されます。GAPの世界共通基準がGLOBALG.A.P.です。ロシアや中国を含む世界112カ国で実践されています。運営主体は、ドイツのFoodPLUS(フードプラス)GmbH内に事務局を置く非営利組織です。
まずは、GLOBALG.A.P.とは何か?そして、その現状及び未来について今回のGLOBALG.A.P.日本大会でのお話を紹介します。

※写真をクリックすると大きい写真をご覧いただけます。


  • GLOBALG.A.P.開会式

    GLOBALG.A.P.開会式

  • ウェルカムスピーチ

    ウェルカムスピーチ

  • 開会宣言 GLOBALG.A.P.協議会 松田代表理事

    開会宣言 GLOBALG.A.P.協議会
    松田代表理事

事故を未然にふせぐための統一規格として生まれたGLOBALG.A.P.

GLOBALG.A.P.は1997年にEurepGAPとして生まれました。
店頭に並ぶ食品の安全性に危機的な事故が発生した際の対応や損失の拡大のリスクは販売を手がけている小売業者が負うことになります。そういったリスクを防ぐために事前に何らかのコントロールが必要です。
当時、注目されたのが食品への残留農薬でした。また、病原微生物汚染による様々な食品事故が多発していました。そこで、小売業者と取引先であるサプライヤーとの間に病原微生物汚染による事故や農薬の残留基準超過を避けるために、二者間で審査項目を設け、事前に監査することで事故や違反を未然に防ぐことを目指したものです。
この際に問題になったのがサプライヤーは1つの小売業者だけと取引しているわけではないという点です。
二者間で審査項目を設けることで、サプライヤーは複数の小売業者との間で、ともすれば小売業の要求に合わせ違った審査項目で監査を受けなければならず、コストのことも課題となっていました。監査が複数あっても中身は似たりよったりであったり、たくさんの監査が手間を要するものであったりと時間的にもロスの多い方法だったのです。
そこで、既存の多くの規格を統一し、独立性のある規格を作ろうとしたのがEurepGAPの最初の意図でした。サプライヤーや生産者が、一度、監査を受け、認証されれば、複数の小売業者と対応ができます。生産者の段階から、適切にリスクを管理することで、生産物は安全であることが証明でき、小売業者もそれを消費者に伝え、消費者は安心して食品を購入することができるのです。


対象となる生産者は13万をこえる

EurepGAP認証数は年を追うごとに増え、2007年には国際的な規格となることを目指し、名称をGLOBALG.A.P.と変更しました。GLOBALG.A.P.は農産物、畜産物、水産養殖、配合飼料生産を網羅し、生産物ごとに規格を設けています。対象となる生産者数は13万を越え、認証生産者はヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、アジア、オセアニアなど世界各国に渡っています。
農水産畜産物だけではなく、配合飼料や種苗に関する規格、さらにトレーサビリティの規格もありますし、輸送に対する要求事項もあり、農産物ごとに、それぞれの規格を満たすことで、認証を受けることが可能です。
GLOBALG.A.P.は国際的な規格となることを目指していますが、生産者にとっては、自国での農業環境に必ずしも適合しているとは限りません。そういった国ごとの環境を考慮する為国別技術作業部会(NTWG)を作り、規格をよりわかりやすく、使いやすくできるように解釈しています。日本語の規格も日本の技術作業部会(NTWG)が行っています。
部会には様々な役割があり、規格を改訂する際に意見を進言したり、GLOBALG.A.P.の自国の言語訳やガイドラインの策定なども行たりしています。


生産者、サプライヤー、小売業者がより強い連携を結ぶことが求められるGLOBALG.A.P.

1997年から15年の間に規格の内容も少しずつ変化し、食品の安全に特化した規格ではなくなっています。労働者の福祉や環境保全、生物多様性なども含め持続可能な農業を見据え、生産者の支援となるような内容になりました。このように、規格の内容は常に見直しをしており、規格ごとに委員会を設けています。
こういった委員会は生産者と小売業者の両方から構成され、最終的には両者のコンセンサスを得て決められています。
もう1つの新しい傾向にLocalG.A.P.の開発があげられます。これは、GLOBALG.A.P.と、それを目指す国の生産者との橋渡しをする規格です。たとえば、南アフリカ共和国や、中国、インドなど食品安全が危機にさらされている国に関しては、まずLocalG.A.P.を取り入れることによって、GLOBALG.A.P.につなげることができます。

もちろん、課題もあります。
食品事故が相次ぐなか、消費者の食品への懸念が増大しつつあります。食品が安全かどうかだけではなく、どこからきたのか、どこでどのように作られたのか、フードチェーンのあらゆる段階においてその疑問に対応できないと消費者の信頼を失うことになってしまいます。
かつて消費者の懸念は残留農薬でしたが、現在食の安全を脅かすハザード(危害要因)は多様化しています。予測のつかない事故に対応するために、生産者、サプライヤー、小売業者が、強い絆で連携していくことが必要です。そして、水の管理や、動物福祉、微生物汚染など、様々な危害のリスクアセスメントを総合的に構築していくことも、今後は求められていくことでしょう。

次回は、GLOBALG.A.P.の取り組み事例を交えながら日本での現状について報告します。


GLOBALG.A.P.ツアー2013日本大会報告その2
 「日本でのGAPの取り組みの現状と課題」


2014年1月31日掲載

野菜種子事業

野菜種子

会社情報・お問い合わせ

シンジェンタの企業情報
よくあるご質問
お問い合わせ

ソーシャルメディア

ページの先頭へ戻る