農地集積による防除機械市場の変化と
異業種との協働で広がる可能性

2014/08/29(金)

農業機械メーカー (株)やまびこから12月に発売されるばれいしょの植溝内土壌散布機アミーゴはシンジェンタジャパン(株)との協働の取り組みで完成されました。機械メーカーと農薬メーカーが一緒に組むことにどのような可能性があるのでしょうか。また、散布機市場の現在はどのようになっているのでしょうか?
(株)やまびこ営業本部営業部防除機械課長の佐藤広志さんにお話を伺いました。

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御社の概要を教えてください。

  • (株)やまびこ営業本部営業部防除機械課長佐藤広志さん

    (株)やまびこ営業本部
    営業部防除機械課長
    佐藤広志さん

弊社は2009年に(株)共立と新ダイワ工業(株)が合併して設立されました。(株)共立は2サイクルエンジンを主体とする製品と、防除機械などの農業機械、それに加え自社製品以外の農業機械の3つの主力製品と、輸出向けの2サイクルエンジンを主体とする製品を取り扱っていました。
一方の新ダイワ工業(株)は2サイクルエンジンの農林業機械製品と発電機、溶接機などの製品を得意としていた会社です。それぞれに重なる分野と、独自の得意分野があることで、合併することでより幅広い販売への可能性が広がり、更なる発展を目指し、現在に至っています。


国内の防除機械の傾向を教えてください

現在、農業機械は、小型機械から中・大型機械へ移行する大きな流れの中にあります。
これは、国が推進する農業経営の規模拡大化政策に伴った動きで、農地の集約化が進んでいるためです。これまでは2サイクルエンジンを主体とする背負い型の小型防除機械で充分対応できていたものが、農地集約で栽培面積が大きくなることで、乗用タイプの中型・大型機械を使わないと対応できなくなっているのです。
そのため、弊社としても乗用タイプの中型・大型の乗用機械に力を入れています。


技術面で御社が力を注いでいることにはどのようなことがありますか?

農地周辺の環境に適応できるようにより低騒音で、農薬が飛散しないような機械の開発に注力しています。効率の良い散布技術を高め、薬剤を効率的に付着させるための技術の向上には常に取り組んでいます。
そういった意味でも、農薬メーカーであるシンジェンタジャパンと協働で取り組んだ土壌散布機アミーゴは、機械メーカーだけではできなかった、農薬の特性を考慮した防除効果の高い機械を生産者様へご提供できる新たな可能性として期待しております。

  • 植溝内土壌散布アミーゴは、ばれいしょの病害である黒あざ病を予防します。ポンプと薬液タンク(容量300L)をトラクターフロント部に設置し使用できます。

    植溝内土壌散布アミーゴは、
    ばれいしょの病害である
    黒あざ病を予防します。
    ポンプと薬液タンク(容量300L)
    をトラクターフロント部に
    設置し使用できます。

  • 前植溝・後植溝の散布に合わせて開発されたアミスターIFノズルは飛散の少ない少量ノズルで効果的な防除を行えます。

    前植溝・後植溝の散布に
    合わせて開発された
    アミスターIFノズルは
    飛散の少ない少量ノズルで
    効果的な防除を行えます。


どのような点が協働の良さとしてあげられますか?

  • 共立ブームスブレーヤショックアブソーバー内蔵の新型シリンダを採用した共立ブームプレーヤ。揺れを抑え、安定した農薬散布ができることで、作業速度が向上します

    共立ブームスブレーヤ
    ショックアブソーバー内蔵の
    新型シリンダを採用した
    共立ブームプレーヤ。
    揺れを抑え、安定した農薬
    散布ができることで、
    作業速度が向上します

生産者さんのシンジェンタジャパンの農薬への信頼があってこそ取り組みが実現し、弊社はその信頼を軸に新しい方法に取り組み機械を製品化できた点です。
アミーゴはジャガイモの植え付け時に薬液噴射ノズルを取り付けたプランターで種芋周辺をアミスター20フロアブルで殺菌・消毒し、黒あざ病を予防する散布機です。植え付け時に土壌を殺菌することで、黒あざ病の発生率を抑え、規格内で出荷できるばれいしょが増え、生産者の収益アップにつながることが期待されています。
テスト結果を経て、より効果を高めるためにどうしたら良いかの協議を重ね、散布方法を決定、それらの情報を元に機械の製造に取り組むことが私たち機械メーカーの役目でした。
今回はイギリスで採用されている散布ノズルを開発ベースに取り入れ、形成される薬剤の粒子が均一でドリフトしにくいうえ、前植溝・後植溝の散布に適すという、今まで日本になかった新形状ノズルの開発という新しいことに取り組みました。
また散布機の普及のためには生産者の負担を極力減らすことが重要となるため、私たち機械メーカーからは現在のトラクターに後付けで散布機と薬液タンクを取り付ける方式を提案致しました。

もし、機械メーカー単独でアミーゴを提供したとしても生産者さんの深い理解を得ることはできなかったでしょう。 そこには農薬メーカー シンジェンタジャパンとばれいしょ生産者さんとの信頼ある関係性と、生産者さんからフィードバッグされた裏付けのあるデータの蓄積があったからこそのアミーゴだと思っています。
私たち機械メーカーのポジションはあくまでも優れた機械を提供することであって、より優れた作物を育成するためには農薬メーカーの持つ知識が必要だとも改めて確認致しました。


今後も、メーカー間での協働は増えていきそうですね。

そうですね。機械は機械メーカー、農薬は農薬メーカーといった分離した考え方ではなく、効率アップのためのアイディアを実現するためにも今後はこういった協働での取り組みは増えていくことでしょう。
協働することで得られたメリットはより効率の良い製品を生産者の皆様へ提供するといった形で確実に還元されていくと思いますので、必要不可欠になっていくと考えています。


最後に御社から生産者の皆さんへのメッセージをお願いします。

今年7月に帯広での国際農業機械展でお披露目致しました、新型の牽引型ブームスプレイヤーが発売されます。また、フランスベルトゥー社のブームスプレイヤーも、各種取り揃えております。それぞれ、効率化や省力化が実現できた製品という部分も含め国際農業機械展の会場においても多くの若手生産者さんから興味を持って頂きました。私たちはこれからも生産者さんの声に耳を傾け、新しい提案のできる機械メーカーでありたいと思いますので、これからの日本農業の発展を一緒に取り組んでいきましょう。


◎(株)やまびこの詳細はこちら
◎ばれいしょの黒あざ病のほか、各種野菜、畑作物、茶のさまざまな病害に高い効果。同時防除にも最適な「アミスター(R)20フロアブル


2014年8月29日掲載

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