植物工場もれっきとした農業。成否を分けるのは、やはり人です。

2014/10/31(金)

「欧米では"インドアファーム"と呼ばれ、あくまで施設園芸の延長として捉えられています。"工場"という言葉が誤解を生むのかもしれませんね」。
植物工場の成功には、何より働く人の意識が大切と語る嶋村社長。はたして、その真意とは──。

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最初に、嶋村社長と株式会社みらいの足跡についてお聞かせください。

  • 株式会社みらい嶋村社長

    株式会社みらい
    嶋村社長

中学2年生のときにつくば万博で見た植物工場の感動が忘れられず、高校卒業と同時に東京農業大学へ入学。
その後、1997年から関東で最も植物工場の研究が進んでいた千葉大学大学院の園芸学部で植物工場の研究を始めました。
それから害虫駆除を行う企業の研究員として働き、2004年に株式会社みらいを立ち上げました。
最初は1日に300株ほどの野菜を生産できる小さな工場でしたが、千葉大学との共同研究という形で3,000株を生産できる規模にまで拡大、2012年に大手不動産会社と提携して宮城県多賀城市に1日10,000株を生産できる植物工場を、そして2014年6月に同規模の植物工場を千葉県の柏の葉に設立しました。


創業からちょうど10年が経ちますが、
これまでの経験のなかで植物工場の運営には何が大切とお考えですか?

最初に確保しなければならないのは資金と人材と販路です。
立地環境や規模にもよりますが、植物工場には莫大な初期費用がかかります。
また、設立後も最初の2ヵ月間は野菜を出荷できませんので、その間は収入がないことを含めて考える必要があります。
人材に関しては、最低でも30~35人の従業員が必要です。
同時に、交代制で栽培の指導などを行うリーダークラスが3人程度いることも条件になります。
これは 1日に10000株出荷することを想定した人数ですが、私の経験からも植物工場で黒字化を図るには、この"1日に10000株"が損益分岐点と考えています。
そして販路に関しては、1日に10000株という大量の野菜をしっかりとさばけるだけの売り先が必要です。


運営のコンサルティングと販路の紹介に関しては、株式会社みらいがサポートすることも可能ということですが。

  • 株式会社みらいが展開するブランド「みらい畑」。植物にとって理想的な環境で栽培するため、ビタミン・ミネラルが豊富で苦みも少ない。

    株式会社みらいが展開する
    ブランド「みらい畑」。
    植物にとって理想的な環境で
    栽培するため、ビタミン・ミネラル
    が豊富で苦みも少ない。

当社のシステムを導入されたお客様に対しては、栽培ノウハウの提供や運営コンサルティングを有償で行っています。
また、当社のパートナーとして野菜を生産していただけるのであれば、販路の紹介もさせていただきます。
したがいまして、植物工場に関するノウハウがなくても、資金さえご用意いただければ始められる環境は整っているといえるでしょう。
しかし、たとえ潤沢な資金があっても、我々にはサポートしきれないことがひとつだけあります。
それが、植物工場で働く方々の「食べ物を作っている」という意識です。


植物工場に対する誤った認識が根深いということでしょうか?

植物工場というと、ボタンをポンと押すだけで勝手に野菜ができるというイメージを持ってらっしゃる方もいます。
しかし、植物工場もれっきとした農業です。
考えてみてください。
いくら安定供給が可能とはいえ、美味しくなかったら誰も買ってくれませんよね?では、美味しい野菜を作るにはどうしたらいいか。
植物をつぶさに観察して、水や肥料、日照時間を調整するといった、農家の方々が昔から当たり前のように行っている作業が求められるのです。
そのようなノウハウを我々が提供できたとしても、現場で作業する方が手を抜いてしまっては意味がありません。

  • 株式会社みらいでは自社の植物工場を「グリーンルーム」と呼ぶ。人工光、空調などを独自のノウハウで調整し、環境を完全にコントロールする。

    株式会社みらいでは自社の
    植物工場を「グリーンルーム」と呼ぶ。
    人工光、空調などを独自の
    ノウハウで調整し、環境を完全に
    コントロールする。

  • 多段の栽培ベッドにより植物を栽培することで、狭い空間で多くの野菜を収穫することが可能。10段分の場合、面積効率は露地栽培の50倍におよぶ。

    多段の栽培ベッドにより
    植物を栽培することで、
    狭い空間で多くの野菜を収穫
    することが可能。10段分の場合、
    面積効率は露地栽培の
    50倍におよぶ。


植物工場の運営には、従来の農業から学ぶべき点が多いということですね。

私も農業の経験を積んだ方の声には常に耳を傾けています。
私の知らないことをたくさん知っていますからね。
また、植物工場が増えれば種子メーカーの役割も大きくなります。
何せ、1日1万株を出荷する工場ひとつで、年間350万粒以上もの種を必要とするのですから。
シンジェンタさんは植物工場で最も需要の大きい非結球レタスの種子を豊富に取り扱っていますので、ともに消費者へ新しい食の提案ができるよう協力していけたらと考えています。
さらに、当社はこれから積極的に海外展開を図っていきますので、シンジェンタさんにはグローバル企業としての強みを活かし、現地において強力にサポートしていただけるよう期待しています。


★株式会社みらいの詳細、セミナー・工場見学のお問い合わせは、下記のWebサイトをご覧ください。
http://miraigroup.jp/

◎一株から同一サイズで刻みのある大きな葉がたくさん出来る、良食味のワンカットレタス!「セテロ
◎シャキッと美味しい、ニュータイプのバタビアレタス「ビバベルディ
◎ワンカットで簡単調理!「LE2005
◎鮮やかな赤色!「ビバロッソ
◎パリッと美味しい!周年栽培も可能!「S8963
◎べと病に強い!パリッと美味しい!「リーフ39
◎高温期でも鮮やかな赤色!「クラウシア
◎オークタイプのリーフレタス「ロビニオ


2014年10月31日掲載

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