新鮮でおいしく、適正価格の野菜を都市に住む人へ。
2020年までに100店舗を目指す旬八の戦略

2014/11/26(水)

スーパーだけではなく、コンビニなどでも日常的に野菜を取り扱われていますが、 あえて、八百屋にこだわっている旬八。
いまなぜ、小売の八百屋なのでしょうか?
どのような経営スタイルで店舗を増やしているのでしょうか?
旬八を経営する(株)アグリゲート代表取締役の左今克憲さんにうかがいました。

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「未来においしいをつなぐ」をポリシーにアグリゲートを設立されたそうですね。その経緯を教えてください。

  • (株)アグリゲート代表取締役左今克憲さん

    (株)アグリゲート代表取締役
    左今克憲さん

学生時代に地方を巡り、地方の未来を見据えた地域活性化につながる仕事ができないかと考えました。
四年生のときに農業関係の企業でインターンをしましたが、もっと人を知ろうと求人情報サービス会社に就職し、アルバイト情報の営業職に就きました。
当時、農業関連から水商売までいろいろな業種を担当しましたが、農業求人には人が集まらないんですよ。原因は稼げないこと。
一般企業が月収が18万~20万円あるのに対して、農業は12万円位でした。それであれば、自分たちで業界のリーディングカンパニーになるようなアグリビジネスを立ちあげようと、起業する決意を固めたのです。
2年で退職し、アグリゲートを2009年2月に立ちあげ、営業代行から始めました。生産者から固定のフィーをいただいて、飲食店や百貨店などに営業訪問し、生産物を卸していました。大手百貨店にも飛び込みで営業し、生産物を店舗に並べてもらったりしていたんですよ。
どこも農産物に関して新規の取引先の開拓をあまりしていなかったようで、取引後に細かいフォローをしてくれれば、「価格もほぼ同じで、おいしいなら、とってもいいよ」と言ってくれましたね。


最初から、この分野は可能性広がっていると判断されたのでしょうか。

成功できるという気持ちは100%ありました。でもその業務形態には迷いもありました。
インターネット販売や、催事での野菜販売などにも広げていきましたが、結局営業代行なので、新しいビジネスとしての価値を発揮できないジレンマもありました。
そんなときにあるスーパーの青果売場を担当させていただくことになり、当時の青果売場の月240万円の売上を2ヶ月のテコ入れでほぼ倍の500万円にすることができました。
当時、その店舗は有機野菜を中心に品揃えをしていましたが、私は有機だけではなく、新鮮さや、おいしさと手にとりやすい価格の商品を並べるようにしたのがよかったのかと思います。
その成功事例が旬八の開店につながっています。


旬八は、旬にこだわった八百屋さんとして都心で店舗を構えることで話題を呼んでいますが、どのような方針で経営されていますか?

  • 旬八青果店目黒店の店舗

    旬八青果店
    目黒店の店舗

「新鮮、おいしい、適正価格」。
この3つをモットーに新鮮な野菜をお求めやすい価格で都心に住む方たちに提供しています。
適正価格とは市場価格の1.2倍を上限と考えています。
幾らなら日常使いの野菜として買っていただき易いのかは、旬八が繰り返し体験したことでたどり着いた価格です。 1号店は2013年10月10日に出店した中目黒店ですが、そこは一坪と手狭だったため、現在は閉めました。
2号店は2013年12月目黒店を開店しました。現在都内に6店舗、様々な場所での催事に出店する1店舗の計7店舗となっています。店舗は立地にこだわり、大きな国道に面している、バス停の前など人通りの多い場所に出店をして人の目に留まり易く、気軽に買い物ができる環境を一番重視しています。


売れる野菜についての有機にはこだわらないと明言されているそうですが、 なぜでしょうか?

有機や自然栽培といっても、ひょろひょろで瑞瑞しさに欠けている野菜よりも、適正量の薬剤を使用し健康に育っている野菜のほうが見た目も味もおいしいと思うんです。
そもそも、お客さんにそれほどの有機野菜へのニーズがあったのかと疑問に思っています。
有機であろうがなかろうが、おいしそうに見えて適正価格の野菜にまず手がのびる。そしておいしかったらまた買ってもらえる。
その繰り返しじゃないかと思うんです。


旬八では、店を訪れたお客様とのコミュニケーションを大切にしているとのことですが、産地を気にする方は多いという印象ですか?

  • 店のPOPには品種や産地の情報がわかりやすく表示されている。

    店のPOPには品種や
    産地の情報がわかりやすく
    表示されている。

お客さんは有機云々よりも産地を気にしていると思いますね。
旬八でもできるだけ、産地や農場の情報をPOPに明記し質問をされれば明確に答えられるようにしています。
また質問は産地に関する質問は2割くらい。8割は食べ方についてですね。
美味しい食べ方はスタッフが調理した料理をスタッフ間のSNSで紹介し、常に情報をシェアしています。もちろん、本部側からの発信する情報もシェアしています。
現在、正社員8名、アルバイト25名居りますが、そういったお客さんとのコミュニケーションも含め、学ぶ意欲の高い方が働いてくれているので助かっています。


旬八で販売されている野菜は、すべて生産者さんから直接買い付けているのでしょうか?

産直が30~40%、市場からが30~50%、自社農場栽培が10~15%といった割合です。
茨城県守谷市に約3haの自社農場があります。ここの生産者と年俸契約をして様々な野菜全般を栽培しています。
主に苗床などで使用するハウスが2棟、冷蔵庫が1つあります。資材等は元々持っているものはそのまま使用してもらい、新しく購入するものに関して弊社で負担していますし、年俸制導入により、天候不順などで不作となった場合も安定収入が得られるので、お互いにメリットがあります。
売れ筋の野菜は自社農場で栽培するほうがコストを大きく抑えられ、その分低価格で提供できますので、お互いにWIN-WINの関係が築けていると思います。

  • 旬八で契約している柿と葡萄栽培を行う福岡県朝倉市・秋吉智博さん。特別栽培認証柿を栽培している。父の代から柿を栽培して50年になるという

    旬八で契約している柿と
    葡萄栽培を行う福岡県
    朝倉市・秋吉智博さん。
    特別栽培認証柿を栽培している。
    父の代から柿を栽培して
    50年になるという

  • 多段の栽培ベッドにより植物を栽培することで、狭い空間で多くの野菜を収穫することが可能。10段分の場合、面積効率は露地栽培の50倍におよぶ。

    茨城県守谷市の自社農場。
    東京都心からも約40km
    という地の利を生かし、
    多品種で野菜づくりを行って
    いる。


シンジェンタジャパンの種子をご存じでしょうか。今後、取り扱うご計画などはありますか?

シンジェンタのだいこん「味いちばん紫」に、とても興味がありますね。
味いちばん紫は色もきれいで料理の色映えも良いので消費者の目を引くと思います。
時期をみて弊社の農場でぜひ取り入れてみたいですね。


今後の目標を教えてください。

2020年までに都内と周辺に100店舗を目標にフランチャイズ化したいと思っています。
新鮮な野菜は、その日に売り切ることが最大の理想ですが、なかなか難しいのが現状です。
今後は業務を拡張し飲食業を併設することで、当日残った野菜は形を変え美味しい料理として提供できるシステムを作ることも目標としています。
店舗増により産地も足りなくなってきますので、「小売とつながって一緒に農業しませんか」をキャッチコピーにJAさんとも繋がりたいと思っていますし、一緒に作付計画を作ってくれるような生産者や産地とも深く繋がっていきたいと思っています。
また北海道と鹿児島など地域が離れたところに自社農場を持ち産地の時期をずらした野菜を栽培し、旬八の店舗に並べることができるようにもしたいと思っています。


最後にメルマガを読んでいるみなさんにアドバイスをお願いします。

ぜひ、実際の野菜売場を見に行って欲しいと思います。
誰に食べてもらうのか、お客さんがどういう野菜を買っていくのかという視点で見ると新たな栽培のヒントが見えてくると思います。
良い提案をしてくれる生産者さんは売場をしっかり見ていますから。がんばって良い作物を作って、一緒に農業を盛り上げていきましょう。


★アグリゲートと、旬八青果店の詳しい情報は、下記のWebサイトをご覧ください。
アグリゲート
旬八青果店

味いちばん紫
短かく太い青首ダイコン
味いちばんのおいしさがそのままに、内部が淡紫色の短太ダイコン

その他のダイコンについてはこちらをご覧ください。


2014年11月26日掲載

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