無人ヘリコプターの適期防除により、米の等級が向上。
今後は、播種から肥料まで、省力散布の時代に。

2015/04/27(月)

  • 杉本直隆主事(左)と中山浩典グループリーダー(右)

    杉本直隆主事(左)と中山浩典
    グループリーダー(右)

日本で生産される水稲の3分の1、つまりお茶碗3杯のうちの1杯分は無人ヘリコプターで防除されているそうです。※1
その防除面積は、昨年で延べ106万haにおよぶのだとか。※1
水田の集約化が進むなか、今後はますます防除の省力化が問われる時代。
今回は、無人ヘリコプター業界をリードし続ける、ヤマハ発動機株式会社 ビークル&ソリューション事業本部 UMS事業推進部の営業部 国内営業グループ 杉本直隆主事と、開発部UAV開発グループ 中山浩典グループリーダーに、無人ヘリコプターの現状や今後などについてお話を伺いました。


御社の無人ヘリコプターの歴史を簡単に教えてください。

弊社では研究や試作を1980年ごろから行ってきましたが、1987年に世界初の本格的な薬剤散布用無人ヘリコプター「R50(L09)」を完成させ、その4年後の1991年には量産モデル「R-50(L12)」の発売を開始しました。
1997年には新開発の姿勢制御システムを搭載した「RMAX」を発売し、2003年にGPSによる速度制御機能を追加して操縦安定性を高めた「RMAX TypeⅡG」を発売。
2013年に最新モデル「FAZER(フェーザー)」を発売し、ご好評をいただいております。

  • ヤマハ産業用無人ヘリコプター第一号の「R50(L09)」(1987年発売)

    ヤマハ産業用無人
    ヘリコプター第一号の
    「R50(L09)」(1987年発売)

  • テールローター付きの量産モデル「R-50(L12)」(1991年発売)

    テールローター付きの
    量産モデル「R-50(L12)」
    (1991年発売)

  • 新開発の姿勢制御システムを搭載した「RMAX」(1997年発売)

    新開発の姿勢制御システムを
    搭載した「RMAX」(1997年発売)

  • GPSにより操縦安定性を高めた「RMAX TypeⅡG」(2003年発売)

    GPSにより操縦安定性を高めた
    「RMAX TypeⅡG」(2003年発売)

  • オートクルーズを可能とした最新モデル「FAZER(フェーザー)」(2013年発売)

    オートクルーズを可能とした
    最新モデル「FAZER(フェーザー)」
    (2013年発売)


無人ヘリコプター防除は、いつごろから本格的に普及したのですか。

水稲の航空防除分野では、1960年から90年代にかけて有人ヘリコプターが活躍してきましたが、1995年ごろから無人ヘリコプターの普及が本格化。
2003年には、無人ヘリコプターの散布面積が有人ヘリコプターを上回り、現在国内で約2,600機が防除に活躍しています。


無人ヘリコプター防除には、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。

まず何と言っても散布効率が高いこと。水田1haに薬剤を散布する場合、背負い式動噴では160分、乗用管理機で60分かかるところを、無人ヘリコプターなら10分で散布できます※2。
また、短期に集中して散布できるので、散布適期を逃しません。
さらに、ローターの吹き降ろし風により、葉裏や株元まで薬剤が付着し、少量の薬剤を広範囲に均一散布できます。
大規模面積への適期防除により、防除効果が全体的に向上することで「米の品質が向上した、等級が上がった」という声を各方面からいただいてます。

※2 ヤマハ発動機株式会社調べ

  • 背負い式動噴(写真右上)や乗用管理機(写真右下)での散布にくらべ、短時間で散布可能な無人ヘリコプター(写真左)

    背負い式動噴(写真右上)や乗用管理機(写真右下)での散布にくらべ、短時間で散布可能な無人ヘリコプター(写真左)


最新のモデル「FAZER(フェーザー)」は、どのような特長がありますか。

エンジンは390cc・26馬力となり、前モデルより排気量・出力を大幅にアップし、低燃費化を実現。2サイクルだったエンジン形式を4サイクルに変更し、騒音を低減しています。
薬剤タンクは着脱が簡単なカセット式なので、地上で調製したタンクを用意しておけば、薬剤充填の手間が省けます。
また、最大24ℓ(液剤)・20kg(粒剤)の搭載を可能としたことで、大規模圃場での散布でタンク交換の省力に貢献します。


「FAZER」は最新技術により操作性が向上したと伺いましたが。

「FAZER」では旧モデルと比べて飛躍的に精度を高めた高性能GPS搭載の機体制御システムにより、飛行速度・高度・方位の安定性が向上。
希望速度に到達したときコントローラーのスティックを中立位置に戻すと、その希望速度・高度を維持しながら飛行するオートクルーズが可能です。


これから無人ヘリコプターを導入するためのアドバイス、注意点についてお願いいたします。

面積で言うと水田400haにつき1台の無人ヘリコプター導入で、対投資効果的にメリットが生まれます。つまり20haの生産者が20戸集まれば、無人ヘリコプター導入を検討する価値があるわけです。
それと注意点ですが、まず、薬剤が沈殿しやすい河川の水は希釈のために使用しないこと。
また、薬液のつくり置きも沈殿しやすくなるので、散布の直前に調製しましょう。
それから、効率重視のあまり飛行速度を上げ過ぎているオペレーターの方を見かけますが、速ければいいというわけではありません。
散布ムラの原因になるので、適切な範囲内の速度で散布してください。


今後、無人ヘリコプター散布は、どのような方向に向かいますか。

農地の集積化が進めば、人件費削減や作業効率化が問われるので、これからは本田除草剤も無人ヘリコプターでの散布が増えるのではないでしょうか。
シンジェンタ社のアクシズMX1キロ粒剤は、田植え7日後からノビエ4葉期までと散布適期が幅広いことから、葉齢が異なる雑草が生えている水田に大規模一斉散布しても、高い除草効果が得られるので効率的なのではないでしょうか。
また、農水省では、無人ヘリコプターを利用した鉄コーティング直播栽培の普及に注力しているので、今後は、鉄コーティング種子の播種から、本田除草剤散布、殺虫・殺菌剤散布、穂肥えなどの肥料散布までを無人ヘリコプターでトータルに行なうようなスタイルが増えていくかも知れませんね。


◎ヤマハ産業用無人ヘリコプターのウェブサイトはこちら
「空から農業を変える」──ヤマハ産業用無人ヘリコプターの動画がご覧になれます。
◎ノビエ4葉期まで散布でき、クログワイなどにも効果を発揮。アクシズMX1キロ粒剤の情報はこちら
◎アクシズMXを使用したヤマハ産業用無人ヘリコプター「FAZER」の動画はこちら

2015年04月27日掲載

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