「無農薬だから安全?農薬は危険?」のイメージを払拭するために考えたいこと

2013/08/30(金)

農薬の扱いにおいては、事故がないように注意深く取り扱うこと。
これは農薬に関わる人、すべてに求められるルールです。
誤った使い方による農薬中毒などを耳にするかと思いますが、これらは間違った使い方をしたことにより引き起こされた事故です。
農薬は大多数の農業従事者に責任を持って利用され、その本来の目的である食料の安定生産のための一般資材として広く、また正しく使われています。
今回はなぜ多くの人が「農薬は危険なのでは?」というイメージを持つのか、これを払拭するためにどうすればいいのかを考えてみましょう。


毒物及び劇物取締法:非該当(かつては普通物と言われていました)だから安全という誤解は危険

一般に「無農薬だから安全」という説があります。
これは逆説的に「農薬を使っていると危険なのでは?」という理解につながります。
また、「毒物及び劇物取締法に非該当だから安全」という説も同様に「毒物、劇物は危険」と思う方も多いかもしれません。
しかし、果たして本当なのでしょうか。
危険なのは他の原因によるのではないのでしょうか。
たとえば誤った使い方によるものや、不適切な保管管理など……。
農薬として適正に取り扱った上での評価ではなく、他の原因からもたらされる「危険」のイメージの方が大きくはないでしょうか。
農薬は毒物及び劇物取締法に非該当であっても、その使用基準を守らなければ様々な問題を生じかねません。
たとえば、調味料に使われる塩を一度に大量に摂取すれば、それは体に悪影響を及ぼします。
そういった事と同様に、たとえ毒物及び劇物取締法に非該当であっても「適正に使用すること」、それが大切なのです。

さらに毒物、劇物に相当する急性毒性を示す農薬が環境に悪い影響を与えるというイメージも間違いです。これらには関連性はありません。
「毒物及び劇物取締法に非該当だから安全」は「無農薬だから安全」と同じように誤解されていますが、その誤解こそが農薬を取り扱うときにいちばん危険なことなのです


PL法に問われる農薬への情緒的な反対論理

こうした農薬に対する情緒的な反対論理が生まれる背景のひとつには、正しい情報の不足とあわせて、何か起きても個人では大企業に対抗できないからという理由が考えられます。

事実、公害が深刻な社会問題となっていた高度成長期の頃は「化学会社=大企業=公害=救済されない被害者」の図式がどこでも見られました。
しかし、現在は、PL法(製造物責任法)によって被害が生じてもそれが救済される道が見えています。
PL法は製品に何らかの欠陥があることを証明すれば、製造者が欠陥により生じた責任をとらなければならない法律です。
製品関連事故による被害者の生命、財産に生じた損害を救済することを目的としています。
たとえば、農薬による中毒事故が発生した際、農薬の毒性により人的被害が生じたとして、この法律で損害賠償を請求できるでしょうか。
もちろん過去にそんな事例はありません。
また農林水産物に残留基準値を超える農薬が残る事態が起きたとしても、それは農薬の使用が適正でなかったあるいは収穫時期が適切でなかったという使用者の使用方法の問題であって、農薬という製造物の欠陥の問題でないとされます。


作り手、売り手の責任が問われるPL法

製品の「製造」「設計」「指示・警告」に関しての欠陥がよく議論されていますが、この各項目において日本の農薬製造メーカーは欧米と比べて勝るとも劣らない高い安全基準を整備してきました。

農薬の企画、設計、製造、使用方法など製品のあらゆる段階で危険性を排除し、高い安全性を確保する努力がされています。
それなのに、農薬に対する否定的な評価が消えない背景には、「スチュワードシップ(指導責任)上の欠陥」も挙げられるでしょう。

つまり宣伝・広告、カタログや販売促進など、販売方法に関する欠陥です。
農薬の設計や製造にミスがなく、しかも適切な指示や警告がなされていても、その製品の宣伝やカタログ、あるいは販売員の話したことが不適切で、それにより損害が生じた場合に、スチュワードシップ(指導責任)上の欠陥として問題となります。
口頭のみならよいだろうというのは通じません。
売り手側の責任もPL法で問われているのです

前述の「毒物及び劇物取締法に非該当だから安全」という表現もPL法のもとでは安全性を証明する表現とはみなされないでしょう。
無農薬だから安全と同じくらい「毒物及び劇物取締法に非該当だから安全」も誤解を招いてしまいます。
そもそも、農薬の使用に当たっては、正しく使う、正しく保管をすることがルールであり、その範囲では使用上の事故は皆無です。

キーワードは「正しく使用すること」、そのことを、社会全体で共有することが大切だといえるでしょう。


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