農産物の市場外取引における成功のキーワードは「産地化」と「個人ブランド」

2013/05/31(金)

市場外取引で販売力を持つには? 売上を伸ばすには?
前回に引き続き、数多くの担い手育成や販路開拓コンサルティングなどを手がける株式会社流通研究所の釼持雅幸代表取締役に、お聞きしました。


市場外取引で販売力を持つためには、どのようなことから取り組めば良いのでしょうか?

産地として交渉力を持つケースと、農家個人個人で販売していくケースに分かれますが、産地化のケースですと、牽引力のあるリーダーのもと、農家さん同士が集落営農や出荷組合を組織して出荷物の大きなロットを確保することが大事ですね。
その上で、安定品質・安定数量出荷を条件に、スーパー、仲卸、直売所などとの契約を広げていくことが重要だと思います。


販路を開拓していくうえで、大事なことはなんでしょうか?

まず売り場の特性を知ることです。
スーパーは、売り場を華やかに演出し、一般的には、価格の値ごろ感やお得感が重要です。
農産物直売所は、主に、鮮度や安心感、一味違う品ぞろえがウリですよね。
一方、農産物通販サイトは、生産者の顔を前面に押し出し、こだわりの農産物を、市況よりも高い価格で販売することが多いです。
こうした各売り場の特性を把握し、その農作物ならばどの売り場で勝負すれば有利なのかを、判断することが大切なのではないでしょうか。
勝負する売り場が決まれば、その「売り場の考えを知る」ことが大切。
例えば、価格は低くても少しキズや汚れがある野菜を扱ってくれるスーパーもあり、その店の考え方に合わせて、野菜の規格構成を変えていくことも重要です。


買っていただく、消費者については、いかがですか?

まずは品質や食味、パッケージに至るまで、消費者と「同じ目線で考えてみる」ということですね。
例えば、みかんの出荷形態でいうと、昔は1キロ袋が当たり前でしたが、核家族化し、家族の人数が減って、「一度にそんなに多く必要ない」と考える消費者が増えているので、2~3個入りやバラ売りのニーズが強まっているわけです。


農作物の差別化についてはいかがですか?

やはり食味を基本に考え、そこからどのように差別化を考えていくか、ということだと思います。
例えば、トマトは通常青い状態で出荷しますが、ギリギリまで完熟させていちばん美味しい時に収穫したトマトを、スーパーのインショップコーナーに毎朝持ち込み、誰がつくったトマトで、どんなこだわりや特長があるのかを、手短にまとめたコメントを添えるなどです。

「その農作物の特徴を生かすことができて、一般の市場流通品ができていないことはなにか」という点から考えるといいですね。
えだまめ、スイートコーン、ほうれんそうなどであれば、朝採りと市場流通品で味が大きく異なるので、ここが差別化のポイントになったりします。
農作物を差別化できて、ブランド化できれば、受け身ではなく能動的に価格を形成しやすくなります。


メディアの活用についてはいかがでしょうか?

ある程度の規模の組織になれば、積極的な活用が必要でしょう。
ニュースとして取り上げてもらえそうなネタがあれば、こまめにメディアに情報を送ることが重要ですね。
だめでもともとですから、ニュースリリースを作って、ターゲットと考える消費者や青果物流通が接触しそうなTV・ラジオ・新聞・雑誌・ウェブサイトなどに、FAXやメールで送ってみるとよいでしょう。

また、広告会社のサポートを得るなどして、食品メーカーにコラボレーションを持ちかけ、共同の売り場を青果物流通に提案していくのも有効だと思います。
クロスマーチャンダイジングと呼ばれていますが、消費者の立場・ニーズに立って、商品のカテゴリーの垣根を越えた「買い場」を提案することです。
例えば、キャベツであれば、「夏のスタミナ補給に回鍋肉」のようなレシピを店頭で紹介し、回鍋肉の素とキャベツを同じ売り場に並べ、マネキンを派遣して試食販売を展開するイメージです。

時節に合わせて異なるメニューを複数回実施し、毎回そのキャベツの食味の特徴を併せて伝えていけば、消費者にそのキャベツ独自のイメージを刷り込むことができ、継続的な販売促進につながるでしょう。

最後に、もっと売上げを伸ばしたいという、農家さんや産地づくりに尽力していらっしゃる皆さんに、アドバイスをお願いします。

繰り返しになりますが、まずは自分の目で多くの売り場をよく見るということですね。
売り場づくりや出荷形態はどうなっているか、自分たちがつくった農産物がどう売られているのか、隣に置いてある他産地との価格差の理由は何かなど、売り場をよく研究することが必要なのではないでしょうか。
そうすれば何が大切なのかが見えてくるはずです。スーパーなどの出荷先と交渉するためのヒントは「売り場にある」ということですね。

◎トマトのおすすめ品種はこちら。
http://www.syngenta.co.jp/seeds/prod/?category_id=28

◎スイートコーンのおすすめ品種はこちら。
http://www.syngenta.co.jp/seeds/prod/?category_id=17

◎「株式会社流通研究所」について、詳しくは下記のウェブサイトをご覧ください。
http://www.ryutsu-kenkyusho.co.jp/index.html

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