「産地で聞いた!」イイ話

年間約1万5千本を県内外に出荷し、富山県内一の切り花用シャクヤク産地に成長。

2015年05月28日掲載


JAあおば 花き出荷組合の森澤正敏組合長(左)と、
JAあおば営農経済部営農課の吉沢 匠主任(右)

富山県内一の切り花用シャクヤク産地として知られるJAあおば。
平成16年からシャクヤクの作付を開始し、現在は生産者23名、作付面積60a、年間約1万5千本を富山県内外に出荷していらっしゃいます。
その取り組みつについて、同JA営農経済部営農課の吉沢 匠主任、同JA花き出荷組合の森澤正敏組合長にお話を伺いました。

管内ではどのようなきっかけで、シャクヤク栽培に取り組んだのでしょうか。

草姿が美しいシャクヤク

草姿が美しいシャクヤク
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森澤組合長

以前は小菊の出荷価格が高値で安定していましたが、海外産や県外産が増えてきたことで、徐々に価格が低迷してきてしまいました。そこで、新たな基幹品目を模索するなかで、安定したニーズのあるシャクヤクに着目したんです。
また、土壌条件が大豆などには向かない地域であることから、水田転作の代替作物としても、シャクヤクは適していました。他にも中山間地では、露地野菜にイノシシや猿などの鳥獣害が問題になっていて、シャクヤクはそうした鳥獣害の被害に合うこともないので、こうした問題の解決策の一つとしてもマッチしていたんです。
小菊の価格低迷による収入減をカバーする作物シャクヤクを、なんとしても柱のひとつに成長させたい。そんな思いを胸に、産地の生き残りをかけて取り組んできました。

近年、管内でシャクヤクの作付面積が伸びている理由は、どこにあるのでしょうか。

吉沢主任

まず、市場のニーズが高いこと。花が大きくて美しく、高級感があるなどの理由からブライダル需要での人気が高まっています
また、シャクヤクは病害防除が小菊より少ないなど、切り花の中では比較的管理が楽なので、花き生産者が取り組みやすいことも背景にあります。

栽培してるシャクヤクの品種や、栽培のポイントについて教えていただけますか。

森澤組合長

管内では白系の「アルプス」、淡いピンク系の「滝の粧」、ピンク系の「エッジドサーモン」「行く春」、赤系の「バンカーヒル」など約40品種を栽培しています。
シャクヤクは、定植をスタートしてから収穫まで3~4年かかります。1年目は10月に定植し、蕾はすべて摘蕾します。2年目は1株あたり1茎だけ蕾を残してあとは摘蕾。3年目から収穫が始まり、毎年5~6月に収穫します。
収獲したら萎れを防ぐために鮮度保持剤を入れた水で前処理をしますが、収穫時の蕾が固すぎると出荷後の開花時期が遅れ気味になり、柔らかすぎると萎れが早くなる。しかも、品種によって収穫適期の蕾の固さは異なるので、切るタイミングを見極めるのが大事です。
シャクヤクは病害虫防除は楽ですが、そういった苦労もあります。
当JA花き出荷組合では、5月の初出荷の際に目揃え会を行い、各品種の出荷前の蕾の状態を確認して、品質の統一を図っています。


では、シャクヤク以外の花き栽培についてはいかがでしょうか。

森澤組合長

当JA管内では、シャクヤクのほか、小菊、アスター、ストックなどの花き栽培が盛んです。
なかでも小菊は産地として25年ほど前から手がけており、ブランド小菊として高い評価をいただいています。また近年は価格確保のため契約出荷にも取組んでいます。
小菊は病害虫防除や除草が不可欠で、1週間に1回程度、合計20回以上の防除が必要です。特に出荷ピークとなる9月咲きの小菊は、7月から8月のハダニ類とミカンキイロアザミウマの防除が重要。他の薬剤では抑えきれず害虫密度が高まってきたときには、ハダニ類にアグリメック、ミカンキイロアザミウマにアファーム乳剤を使うようにしています

今後の取り組みについてお聞かせください。

吉沢主任

男性が田植えをしている期間に、女性がシャクヤクの収穫という軽作業を担当すれば、営農組織の人材活用効率化が図れるので、今後は管内の営農組織に栽培導入を積極的に働きかけていきます。
また、未来の生産者育成のためにも、子供のころから日常にシャクヤクがある生活が定着するように、通学路や街中にシャクヤクを植えたいと考えています。今後は年間5万本出荷を目標として「富山といえばチューリップ、シャクヤク」というイメージが定着するように、産地一丸となって頑張っていきたいですね。

 
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