「産地で聞いた!」イイ話

標高1000メートル以上の高原地帯で冷涼な気候を活かした高品質セルリーを生産。

2015年08月3日掲載

JA信州諏訪の農業振興係の篠原良平主任(左)、セルリー専門部会の小島教嗣部会長(右)
JA信州諏訪の農業振興係の篠原良平主任(左)
セルリー専門部会の小島教嗣部会長(右)

標高900~1200メートルの高原地帯に約150haのセルリーを作付するJA信州諏訪管内。セルリーの全国生産量の約4割は長野産で、その7割は同JA産です。
特に、夏場の冷涼な気候を活かした夏期セルリーはネームバリューも高く、7~9月に全国に流通するセルリーのほとんどを占めています。
同JAの営農部営農企画課 農業振興係 篠原良平主任、セルリー専門部会の小島教嗣部会長にお話を伺いました。

管内では、いつごろからセルリー栽培がはじまったのでしょうか。

篠原主任

大正11年ごろ試作がはじまり、はじめて出荷になったのはその4年後だそうです。
消費者の間では「セロリ」という名前が一般的ですが、産地の関係者の間では「セルリー」と呼んでいます。
セルリーは栽培期間が長く、手間がかかる野菜です。播種から90日かけて定植、定植から収穫までが約70日、合計約160日もかかります。
管内産のセルリーは、きれいな淡いグリーンで、肉厚で茎が大きく、シャキシャキとした歯ごたえが特長です。

セルリー栽培では、なにがポイントになりますか。

小島部会長

作型はハウス栽培と露地栽培がありますが、まず、育苗期間に低温にさらされると、とう立ちしてしまうので、低温時期にはハウスのボイラーや温湯パイプによる加温や、換気による温度・湿度管理が重要ですね。
また、ハウスも露地も定植後の灌水が大事です。
ハウス栽培では5月中旬から、露地栽培では6月下旬から出荷が始まりますが、セルリーのトップシーズンは7~8月になります。その後10月中旬まで露地、それ以降はハウスで11月上旬まで出荷が続きます。
夏期は気温が30℃を超えるようになると石灰欠乏症になりやすいので、セルリー1本ずつていねいにカルシウム剤を葉面散布していきます。

栽培以外では、どのようなご苦労がありますか。

小島部会長

収穫適期のセルリーは、朝陽が当たるとシャキシャキ感や鮮度が損なわれるので、収穫期は深夜2~3時の暗いうちから収穫をはじめます。
圃場では、セルリーの根元を切り、計量して鮮度保持袋に入れ、箱詰めまでを各生産者が行ないます。早朝に収穫作業を行うことで、昼間は管理作業に専念することができます。

セルリーの病害虫防除には、どのように取り組まれていますか。

小島部会長

露地では、斑点病や、ハモグリバエ、チョウ目害虫などが問題になります。当JAセルリー専門部会では、アミスター20フロアブル、アクタラ粒剤5、アファーム乳剤、トリガード液剤といった製品を採用しています。
アミスター20フロアブルは生育期後半に散布していますが、斑点病に対する予防効果が高いのと、作物が汚れにくいという点が助かりますね。
アクタラ粒剤5は、ポット育苗時と定植時に使用しますが、ナモグリバエを長く抑えてくれます
マメハモグリバエに対しては、アファーム乳剤とトリガード液剤を使っていますが、アファーム乳剤は、ヨトウムシ、オオタバコガ、タバコガなどのチョウ目の同時防除ができるので重宝しています。
ローテーションの中で2~3回使うようにしていますが、防除効果が高いので害虫発生の多い夏場では安心感が違いますね。

管内産セルリーは、どのようにPRしていらっしゃいますか。

篠原主任

消費者に「食べて知って」いただけるように、年に5回、都内の量販店で試食宣伝会を行っています。
セルリーは嗜好性の分かれる野菜ですが、より多くの人に食べていただけるように、レシピの載ったパンフレットを配布して試食宣伝を行っています。
また、近年は沖縄での販売も行っています。沖縄はセルリーを食べる習慣はあるのですが、生食では食べないので、試食宣伝により食べ方の提案を行っています。

今後の取り組みについてお聞かせください。

篠原主任

地球温暖化による気温上昇が問題化していますが、それに対応した栽培技術を早いタイミングで構築していく必要があると考えています。
また、セルリーは経費や労力がかかる野菜ですが、比較的若い後継者が多くいます。産地ブランドを守りつつ、若い世代の消費者にいかにセルリーをもっと食べてもらうか。それを今後も提案していきたいですね。

 
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