「産地で聞いた!」イイ話

観光農園・直売・出荷でリスク分散。新品種「夏あかり」で販路拡大を狙う。

2017.08掲載

長野県の最北部に位置し、信濃川の源流となる千曲川・犀川の豊かな水に恵まれたJAながの管内。
比較的降水量が少なく、昼夜の寒暖差が大きい環境のもと、高品質な農作物を栽培。
とりわけりんごなどの果樹では、全国屈指の品質と安定供給を誇ります。
今回は、50年の歴史を持つ観光りんご園「千曲園」をたずね、管内のりんご栽培について、その取り組みをご紹介します。
長野市で千曲園を経営する滝澤慶祐さんにお話を伺いました。

「千曲園」の概要について教えてください。

滝澤さん

観光用のりんご狩りは祖父の代から続いており、私は就農して4年目です。
約2haのりんご園を父と祖母、パートさん数人とともに運営しており、「あかぎ」「秋映」「シナノスイート」「シナノゴールド」「サンふじ」「夏あかり」といった品種を栽培しています。
千曲園では、りんご栽培を観光農園、贈答用直売、JA・市場出荷の3部門に分けてリスク分散。
観光用が7割、直売・出荷用が3割という構成比で経営しています。

観光りんご園の経営では、どのような課題がありますか。

滝澤さん

観光用のりんご狩りは、9月下旬から11月下旬までオープンしており、ピークの11月には複数の観光バスが来園し、1日に30組以上のお客様が集まります。
当農園は長野市のアップルラインと呼ばれる道路沿いにあり、多数のりんご園が集中しています。
りんご狩りの後にお客様が有料でお土産に持ち帰るりんごを、重量制にするか、詰め放題にするか試行錯誤した時期もありました。
重量制だと正確に計量しなければならず手間がかかるので、結局、大・中・小3種類のカゴに詰め放題にする方式を採用しています。
お客様の多くは祖父の時代から続くリピーター層なので、高齢者の方が多い。
だから、いかに新規の若いお客様を増やしていくかが課題なんです。

りんご栽培での課題やポイントはありますか。

滝澤さん

出荷用に20aほど手がけている高密植わい化栽培のりんごを、いかに上手に管理していくかは今後の課題です。
高密植わい化栽培は、従来のわい化栽培で根の部分として使用されていたマルバ台木を使用せずに、中間台木を自根台木として定植する栽培法です。
りんご狩り用の樹は、わい化栽培で樹と樹の間隔をあけてお客様の動線を確保し、広々とした空間を演出しますが、高密植わい化栽培はその対極にあります。
りんごの樹がコンパクトになり密植が可能なので、一直線に樹を並べてスムーズに管理作業を行うことができ、早期収穫・多収などのメリットもありますね。
しかし、昨年は、雑草を放置していたせいで、高密植わい化栽培で植えた「シナノゴールド」300本のうち100本がネズミに地際をかじられ、ダメになってしまいました。
今後は雑草管理を徹底していこうと思います。

園地の雑草管理には、どのように取り組まれていますか。

滝澤さん

12月から2月までを除いて、毎月定期的に除草剤を散布しています。
2種類の除草剤を使っていますが、プリグロックスLは、雪が積もる前の秋冬期でも速効的に枯れてくれるので助かりますね。
雑草があると根雪と地面の間に空間ができてネズミが動き回りやすくなるので、樹の地際をかじられやすいのですが、雑草がないと根雪と地面の間にすき間ができないので、ネズミが地際付近を動き回れない。
だから、プリグロックスLの秋冬期除草は必須なんです。

病害虫防除についてはいかがですか。

滝澤さん

去年は、開花時期が早く、黒星病の発生が多かったですね。
黒星病は果実に被害が及び、症状が進むと裂果になるので一番の問題病害です。
うちでは以前から、黒星病に定評のあるスコア顆粒水和剤を開花直前に散布していましたが、昨年の黒星病多発をふまえ今年は、JAから早めの予防散布指導がありました。
そこで今年は、展葉初期からの殺菌剤散布をしっかりと行い、開花直前のスコア顆粒水和剤に加えて、落花10日後には本年からユニックス顆粒水和剤47を散布しており、黒星病はほぼゼロの状態です。

今後の取り組みについて教えてください。

滝澤さん

やはり販路拡大が課題ですね。
「夏あかり」という長野の新品種は、ジューシーでさっぱりとした甘酸っぱさが特徴の小ぶりなりんごですが、静岡の直売所で試験販売したときに評価が高かったんです。
この品種を武器に、例えば都内の産直イベントや試食会などに積極的に参加し、県外販売にも目を向けてみたいと思っています。

 

関連製品

除草剤「プリグロックスL
殺菌剤「スコア顆粒水和剤
殺菌剤「ユニックス顆粒水和剤47

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