「産地で聞いた!」イイ話

圃場巡回により、糖度や粒数など品質の統一にこだわったJAフルーツ山梨の「シャインマスカット」。

2018.10掲載

JAフルーツ山梨管内はぶどう、もも、すももなどを手がける果樹の大産地。
なかでも主力のぶどうは巨峰、ピオーネ、シャインマスカットなど幅広い品種を栽培していらっしゃいます。
近年は市場の人気が高まっているシャインマスカットの出荷量が増加し、その栽培面積は約230ha、生産農家は1257名に及ぶのだとか。
そんな同JAのブランド「シャインマスカット」についての取り組みをご紹介します。

つくりやすく、棚持ちに優れたシャインマスカットに注力

甲府盆地の東部に広がるJAフルーツ山梨管内では、国内トップの年間日照量や昼夜の寒暖差を活かし、古くから品質の高いぶどうが手がけられています。
栽培品種は巨峰、ピオーネ、シャインマスカット、デラウェアなど多彩な品種を栽培。
「牧丘の巨峰」ブランドで巨峰の産地として知られていますが、近年ではシャインマスカットの生産量が伸びているそうです。
シャインマスカット台頭の事情について同JA営農指導部の星野一雄次長にお伺いしました。

「シャインマスカットは皮ごと食べられて糖度も18度以上と高く食味に優れており、しかも棚持ちの良い品種です。
消費者から非常に人気があり、価格も高値で安定しているので、当JAの出荷量も種なし巨峰に次ぐ第2位になるまで増加してきました。ニーズの高さはもちろんですが、巨峰やピオーネといった黒系のぶどうと比べてつくりやすく、2倍以上棚持ち期間があるので産地として取り組みやすかったという背景もあると思います。改植する園地の苗木は、シャインマスカットに切り替えるという生産者が非常に多いですね」。

根まで枯れて抑草期間が長いタッチダウンiQによる除草を指導

黒系ぶどうと比べてつくりやすく、晩腐病にも強いというシャインマスカット。
とは言うものの、晩腐病やべと病など病害虫防除が重要なのは変わりないそうです。
特に晩腐病は最重要病害で、雨対策は重要とのことでした。
同JA管内では、5月開花ごろから収穫間際まで"かまぼこ"と呼ばれる雨よけビニールをぶどう棚の上に施設する生産者が増えてきたのだとか。

「袋かけや傘かけといった従来の方法と併用する形で"かまぼこ"を施設すると、晩腐病対策としてかなり高い効果が得られます。また、殺菌剤では、現在セイビアーフロアブル20などいくつかの剤を晩腐病対策の選択肢として試験中です。晩腐病は有効な剤が少ないので、いい結果が出ればと期待しているんですよ」と晩腐病対策について話す星野次長。

除草対策については、タッチダウンiQを推進されているとのことです。

「3月上旬ごろから秋までは、雑草が繁茂する季節です。JA管内では園地まわりなどの雑草対策として、根まで枯れて抑草期間が長いタッチダウンiQの使用を指導しています」。

さらに、同JAではハウス栽培での省力化を目指して先進的な取り組みを推進中です。
シャインマスカットなどのハウス栽培では、ハウス内の温・湿度や様子をセンサーやカメラで収集し、遠隔地からスマートフォンなどで確認できるIoTを活用したスマート農業を多くの生産者が導入。
高温環境下に弱いシャインマスカットの品質安定化に役立てているそうです。

※IoT(Internet of Things):あらゆる物がインターネットでつながるサービス。

最新鋭の非破壊糖度計を活用

高品質なぶどう栽培を手がける同JAでは、シャインマスカットの品質向上のために徹底した圃場巡回や収量調整を実施していらっしゃいます。
生産者の園地をつぶさに巡回し、ぶどうの葉が多すぎて園内が暗くなっている場合は新梢管理を指導したり、房の大きさを指導しているそうです。
星野次長に圃場巡回のポイントを伺いました。

「10aあたり3千房程度になっているか、粒の大きさや数は適当かなどを巡回した際にチェックします。また、収穫前の圃場巡回では、最新鋭のモバイルタイプ非破壊糖度計を活用して糖度をチェック。糖度によっては収穫時期をずらすように指導するなど品質の統一に力を注いでいます」。

試食販売などを通じてフルーツ山梨ブランドをPR

同JAでは、商社を通じて台湾・香港・シンガポールといった海外にもシャインマスカットなどのぶどうを輸出。
国内では京浜市場や関西市場を中心に全国へぶどうを出荷していらっしゃいます。
また、国内マーケットでの産地ブランド普及の一環として、本所や各支所ごとにスーパーや市場などでのシャインマスカットの試食販売を実施したり、無添加甲州ぶどうジュースを直売所で販売するなど、「フルーツ山梨のぶどう」のブランドをPRしていらっしゃいます。

「実際に消費者や関係者の方に、食べていただく活動が大事。これからも、シャインマスカットを軸に、安全・安心でおいしいぶどうをつくり続けていきます」と星野次長。

今年の猛暑にも負けず、日本一の産地を目指す意気込みを語ってくださいました。

 

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