「産地で聞いた!」イイ話

「ながいも」は白さと糖度が決め手。輸出や加工品など通じて販売力向上へ。

2015年12月28日掲載


JAオホーツク網走の臼井室長(左)と大澤係長(右)

オホーツク海に面し、網走市を中心に東西に広がるJAオホーツク網走管内。小麦、てんさい、ばれいしょの他ながいもの生産が盛んです。中でもながいもは40年以上の歴史を持ち、その高品質さが自慢です。
今回は同JA販売企画室の臼井英樹室長と販売部青果課の大澤正光係長にお話を伺いました。


ながいも栽培の歴史について教えてください。

臼井室長

ながいもは43年ほど手がけており、特に東藻琴地区では古くからながいもづくりに力を注いできました。現在は、「オホーツク網走ながいも部会」に79名が所属し、82haの規模で栽培しています。
「オホーツク網走ながいも部会」には、古くからながいもを手がける熱心な生産者が多く、熟成度合いを統一させるため、その年に部会で決めたつる切り日以前には、つるを切らないなど栽培上の厳しいルールに基づいて栽培されています。

管内産ながいもには、どのような特長がありますか。

大澤係長

裾が広い「とっくり型」で、いもの肌の白さ、甘さが特長。長期間かけて生育することと寒暖差が大きいことから、粘りが強く糖度の高いながいもに仕上がります。
11月上旬から中旬に収穫する秋掘りと4月下旬に収穫する春掘りがあり、春掘りの方が糖度が高い傾向にあります。収穫後、秋掘りは5月まで、春掘りは10月まで低温貯蔵庫で寝かせて熟成させてから出荷。完熟させることで表皮が固くなり、キズが付きにくくなります。

ながいも栽培のスケジュールについて教えてください。

大澤係長

4月上旬に種芋の芋切り、消毒、キュアリング(乾燥)を行い、種芋準備を行います。5月上旬には溝切り、中旬に種芋植付けや支柱立て、ネット張り、5月下旬から6月中旬にかけて中耕や除草剤散布、収穫の1週間前につる切り、秋掘りは11月上旬から中旬に、春掘りは4月下旬に収穫します。
また、採種圃場では、6月下旬から9月下旬にかけてアクタラ顆粒水溶剤を散布しアブラムシ防除を徹底しています。


高品質な、ながいも栽培のためには何がポイントになりますか。

大澤係長

原原種から、実際に植付する種芋を採種するまでに5年かかりますが、良質な系統の種芋を選抜する選択眼が重要。本圃での品質統一のための第一歩です。
また、トレンチャ―と呼ばれる農機で土壌を砕土する「溝切り」ですが、この作業も重要です。砕土が不十分だと、生育中にながいもが土の塊にぶつかって曲がってしまったりする原因になるので、時速1km未満という超低速で丁寧に砕土していくのが決め手となります。

選果や包装についての取り組みを教えていただけますか。

臼井室長

選果場では長年選果を担当してきたベテランスタッフが「厳選」「秀品」「優品」「切品」「規格外」といった等級について選別を行います。全体の1%にも満たない極上品である「厳選ながいも」には、高級感のある黒のパッケージを採用。おがくずを詰めて出荷することで、通常品と差別化しています。
また、規格外のながいもは、土中と同程度の呼吸量になるようにした鮮度保持資材「Pプラス」でパッケージングして付加価値を付けることで、少しでも生産者の所得向上に貢献できるよう配慮しています。

海外にながいもを輸出されているそうですね。

臼井室長

平成25年から米国やカナダのスーパー向けに、「北海道オホーツク網走長いも」というパッケージで輸出しています。米国やカナダでは、華僑などアジア系住民の間で薬膳効果の高い食べ物として人気があり、国内では需要の少ない4Lサイズが人気です。
オリジナルの英語版「レシピ集」を作成し、現地スーパーの試食会でのPRも積極的に実施。海外産の品種とくらべて「白くて甘みがあり美味しい」と好評で、輸出量も増加傾向にあるので、この取り組みも生産者の所得向上につながっていると思います。

今後の取り組みについて教えてください。

臼井室長

輸出では米国・カナダ以外の国にも販路を広げたいと考えています。また、ながいもを使用したオリジナルの新食感冷凍コロッケ「山薬(さんやく)三昧」を開発・販売するなど、6次産業化への取り組みにも注力していきます。
*「山薬」:ながいもなどを乾燥させた生薬のこと。ながいもの成分が老化防止やインフルエンザ予防に効果的と言われている。

 記者が試食しました!冷凍コロッケ「山薬(さんやく)三昧」

実際に食べてビックリ!! 外はサクサクで、中がジューシー。
まるでクリームコロッケのような味わいの中に、角切りのながいもがしっかりと存在を主張。
クリーミーとシャキシャキ感のコラボレーションです。ごちそうさまでした!!

 

関連製品

◎葉裏のアブラムシ類まで逃さない。殺虫剤「アクタラ顆粒水溶剤

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