「産地で聞いた!」イイ話

世界農業遺産に認定され、ヘルシー食品としての訴求を図るJA紀州の「紀州みなべの南高梅」。

2016.04掲載

国内最大の梅産地であるJA紀州管内。
その梅栽培手法は昨年、世界農業遺産にも認定されました。
地域団体商標である「紀州みなべの南高梅」の取り組みについて、JA紀州みなべ営農指導センターの山ノ内利浩センター長、JA紀州みなべいなみ梅部会の有本義宣部会長にお話を伺いました。

400年以上続く梅生産手法が世界農業遺産に認定

JA紀州では、塩漬け・天日干しなどの一次加工や梅干しが2万4千トン、市場や梅加工業者向けの青梅が6千トンで、合計年間約3万トンの梅を出荷されています。
昨年12月には、400年以上続くJA管内の梅生産手法が国連食糧農業機関(FAO)の世界農業遺産に認定されました。
どのような栽培手法なのか、同JAみなべ営農指導センターの山ノ内センター長に伺いました。

「養分に乏しい礫質の斜面で梅を栽培し、その周囲にウバメガシなどの薪炭林を植え、斜面の崩落防止・保水などの役割を持たせ、薪炭林に生息するミツバチとの共生を図りながら高品質な梅栽培を行う梅の栽培手法です」。

秋期の剪定作業により作業を省力化。課題だった黒星病対策も万全

梅の栽培におけるポイントやこだわりについて、同JAみなべいなみ梅部会の有本部会長はこう語ります。

「梅の樹の寿命を長くするために、主枝を3本に仕立てる開心自然形を基本とし、上に向かって伸びる枝を春のうちに摘心する栽培法を推進しています。また、青梅の場合には、4月に2回摘心を行う摘心摘葉栽培により、果実に紅色が色づきやすくすることで品質・収量向上が期待できます」とのことでした。

また、秋から冬にかけてきちんと剪定作業を行うように指導したことで、冬場の剪定作業が省力化でき、増収効果も得られるようになったと言います。

また、梅の栽培でのもうひとつのポイントが適期防除、と語る有本部会長。
5年前から黒星病の発生が増えてきたそうです。
そこでJA管内では、黒星病発生が多い園地に対してスコア顆粒水和剤を3月下旬と5月の2回、散布するようにしたのだと言います。

「スコア顆粒水和剤を適期に2回散布することで、園地全体の黒星病がおさえられるようになりました。黒星病の防除はスコア顆粒水和剤抜きには考えられません。私は3000倍液を反当り500〜600L散布していますが、汚れが果実につきにくいのも気に入っています」と黒星病対策について力を込める有本部会長でした。

今年のPR方針は『2016年(申年)は梅を漬けよう!』

JAの婦人部が全国の小学校やスーパーなどで梅の漬け方講習会を実施したり、みなべ町主催で高校生の梅料理コンテストを開催するなど、梅のPR活動は多方面に及ぶのだとか。
同JAの山ノ内センター長に、今年のPR方針として耳寄りな情報をお聞きしました。

「江戸時代の飢饉の際に紀州藩だけは梅干しによって死者がほとんど出なかったのが申年だった史実にちなみ、"申年(さるどし)の梅は縁起がいい"ということで、『2016年(申年)は梅を漬けよう!』とPRしています」。

また、同JAでは、梅を使った加工品でも企画力を発揮していらっしゃいます。
管内で作付されている平均糖度8度以上の高糖度ミニトマト「優糖星(ゆうとうせい)」の果汁で漬けたデザート感覚の「とまと梅」が若い女性を中心に人気を呼んでいるとのことでした。
今後の取り組みについて、同JAの山ノ内センター長はこのように話します。

「みなべ町では"血糖値の抑制""ピロリ菌など菌の運動能力阻害"についての梅の特許を取得しました。こうしたヘルシーなイメージを広くPRし、南高梅の普及に努めていきたいと思います」。

 

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